Algorandの誕生経緯
Algorandは、コンピュータサイエンス・暗号理論の専門家でありマサチューセッツ工科大学教授のシルビオ・ミカリ(Sivio Micali)によって立ち上げられました。
シルビオは古くから暗号技術について研究を行っており、2012年にはコンピュータサイエンス業界のノーベル賞とも言われるチューリング賞を共同受賞しています。
暗号技術の研究をする中で、ビットコインやブロックチェーンのアイデアに興味を持つようになったものの、持続可能性に疑問を持ち、公平で真に国境のない経済にアクセスできるブロックチェーンの普及を目指すプラットフォームとして、2017年にAlgorandを立ち上げました。
現在Algorandは、開発を行うAlgorand Inc.(アルゴランド社)と、エコシステムの拡大を行う非営利組織であるAlgorand Foundation(アルゴランド財団)が、それぞれ独立しつつも協力しています。
2020年9月には、ノーベル経済学賞を受賞したポール・ミルグロムをAlgorand Inc.のアドバイザーに迎えています。
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ALGOトークンの役割
Algorandチェーンのネイティブトークンのセールは、2019年6月にCoinListでダッチオークション形式にて実施されました。
1トークンあたり2.4ドルで2500万ALGOを販売し、約6000万ドルを調達することに成功しています。
総発行数はメインネットローンチ時に生成された100億ALGOで、総発行数は今後も変更されることはありません。初期投資家および初期ノード実行者への配布は、2030年に終了することになっています。
ALGOは、デジタル通貨として機能することでオープンでボーダーレスな経済を促進します。
現在、気軽にクレジットカードやデビットカードを使用することができますが、一般的に3~7%の手数料が発生しています。
購入者にとってカード決済はとても便利ですが、多くの場合購入商品にあらかじめ手数料が上乗せされていることが多いです。
では、代わりにALGOを使用するとどうなるでしょうか。
ALGOの取引速度は1秒間に1000トランザクションにも達しおり、取引完了まで4.2秒しかかかりません。
決済の完了をその場で確認することができ、取引手数料は0.001ALGOに固定されているため非常に安価です。
また、すべての取引はチェーンに記録されるので透明性も高く、いつでも取引記録を確認することができます。
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Algorand上の資産(アセット)
Algorandチェーン上のあらゆるタイプの資産(アセット)を表すために標準化されたメカニズムとして、Algorand Standard Assets(ASA:アルゴランド標準アセット)が提供されています。
ASAの特徴は以下の通りです。
- Algorandチェーンを利用するため高速で安全に取引できる
- 取引手数料が安く、実行コストも抑えられる
- 簡単に発行できる
- Algorandチェーン上の資産との相互運用性がある
また、代表的なASAとして、ステーブルコインやトークンがあげられます。
ステーブルコイン
・Tether(USDT)
アメリカのTether社が発行する米ドル連動のステーブルコイン。
Algorandは、Omni、Ethereum、EOS、Tronに次いでUSDTに採用された5番目のブロックチェーンです。
Algorandチェーン上のUSDTは1秒あたり1000を超えるトランザクションで処理され、Algorandが誇るトランザクションスピードにより、Tetherはオープンな金融イノベーションの最前線テクノロジーとして機能しています。
・USD Coin(USDC)
アメリカのCircle社が発行する米ドル連動のステーブルコイン。
Algorandは、Ethereumに次いでUSDCに採用された2番目のブロックチェーンです。
Algorandチェーンを利用することで、ステーブルコインの取引を低い取引手数料で実現し、圧倒的な取引速度を提供します。
トークン
・Planet Watch(PLANET)
Planet Watchは、大気質センサーを世界中に配備して、大気汚染に晒されている場所を監視する分散型ネットワークです。
センサーで読み取られたデータはAlgorandチェーンに保存されます。
そして、センサー設置のインセンティブとしてPLANETトークンを配布しています。
・EXODUS(EXIT)
ウォレットアプリを提供しているEXODUS社は、株式と1:1になっているセキュリティトークン「EXIT」を、Algorand上で発行しています。
こちらトークンはEXODUS社の普通株と1:1になっています。
ブロックチェーンを利用することで、セキュリティを確保しユーザーに対して取引のしやすさを提供していくと考えられています。
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