【レッスン④】コンセンサスアルゴリズム「PPoS」

コンセンサスアルゴリズムについて

まずはコンセンサスアルゴリズムについて理解を深めていきます。ここでは代表的なコンセンサスアルゴリズムであるPoWとPoSについて学びましょう。

プルーフオブワーク（PoW）

ビットコインをはじめとする多くのブロックチェーンで採用されているコンセンサスアルゴリズムです。

コンピュータを使用して複雑な計算を行うことでブロックチェーンに新たなブロックを追加でき、報酬としてトークンを取得することができます。

一般的にこの計算作業をマイニングと呼んでいます。

プルーフオブステーク（PoS）

PoSでは、トークンをネットワークに対してステーキングすることでコンセンサスに参加することができます。

いくつかのブロックチェーンでは、PoSの派生であるDPoS（Delegated Proof of Stake）が採用されており、多くのユーザーは選出されたバリデータに対してデリゲート（委託）することになります。

この場合、チェーンの検証はバリデータによって実施されます。

PPoS（Pure Proof of Stake）

レッスン1でPPoSの大きな特徴として、次の2点を学びました。

• ステークするトークン数に関係なくネットワークに参加可能
• チェーンのバリデータ（コンセンサス委員会）はランダムに選出される

PPoSではトークンを多く保有するバリデータだけがチェーンを検証するのではなく、より多くの保有者がランダムに選出されチェーンを検証します。

では、なぜ「Pure」という言葉がついているのでしょうか。

まず、PoSの場合ではトークンをステーキングする際にネットワークへロックしなければなりません。

ロックとはトークンを動かすことができない状態を意味します。

このロック期間中に、トークン価格が下落するとユーザーにとっての経済的損失が生じてしまいます。

これは、ネットワーク参加を検討する際のネガティブな要素となってしまう可能性が高いでしょう。

PPoSでは、このようなトークンのロックは一切行われず、トークンを保有しているだけでネットワークに参加することが可能です。

ネットワークへの影響力は保有しているトークン数に比例しますが、ネットワークへの参加はランダムに選出されます。

これにより、ネットワーク参加者の分散化とネットワーク全体のセキュリティを実現しているのです。

そして、PPoSのもう1つの特徴として、チェーンがフォーク（分岐）しないことがあげられます。

PoWの場合、2人のマイナーが同時にブロックを生成してしまうとチェーンがフォークします。

最終的には最も長くなったチェーン以外は、ブロックが消えトランザクションも無効になる仕組みです。

一方でPPoSでは、コンセンサス委員会によって承認されるブロックは必ず1つに限られています。

そのため2つのブロックが同時に生成されず、トランザクションが無効になることはありません。

これは、ネットワークの効率性の観点からも優れた設計だといえるでしょう。

Algorand Walletについて

AlgorandにおけるPPoSネットワークに参加するには、Algorand Walletを使用します。

Algorand Walletは唯一の公式ウォレットであり、ALGOをはじめASAを管理することも可能です。

Algorand Walletで1ALGO以上保有することで、ステーキング報酬の対象となり、自動的に残高が加算されていきます。

つまり、1ALGO以上保有することでランダムにコンセンサス委員会に選出される可能性があるのです。

これにより、多くのユーザーがコンセンサスに参加する機会を得ることができ、ネットワークの分散化が実現されています。

また、報酬が発生している間もALGOやASAなどの資産はロックされないため、自由に移動させることが可能です。

コンセンサスに参加していることを意識せさずに資産を管理できるのが、Algorandが誇るPPoSの大きなメリットだと言えるでしょう。

なお、ステーキング報酬は2022年に完全に廃止する予定となっています。