【レッスン⑤】分散型ガバナンスの未来

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DeFiが大きく注目されるようになった1つの要因に、ガバナンストークンの存在があげられます。本レッスンでは、Compoundの発行するガバナンストークンCOMPについて学習していきましょう。DeFiを含むWeb3.0プロジェクトは、将来的な分散型ガバナンスの構築を目標としており、そのためにガバナンストークンは欠かせない要素となります。

What you can learn in this lesson

  • ガバナンストークン「COMP」
  • 単一障害点の排除

ガバナンストークン「COMP」

レッスン2で学習した通り、Compoundにはガバナンストークン「COMP」があります。

ガバナンストークンとは、DeFiサービスのような分散型プロジェクトにおける意思決定へに関与できる議決権のようなものです。

COMPは、意思決定時の投票権として機能します。


COMPのようなガバナンストークンを発行する目的としては、サービスが特定の管理者によってコントロールされるリスクを回避する点にあります。

また、サービスに特定の管理者が存在する場合、単一障害点として外部の攻撃などの対象になりやすくなってしまう点も回避すべきリスクです。


Compoundは2020年6月に、それまでにCompoundを利用したことのあるユーザーに対して初めてCOMPを付与しました。

当初の目的としては、Compoundから特定の管理者を排除し分散的に運営するためでしたが、現在ではCOMP自体がUniswapなどの取引所で活発に取引されています。


COMPの総発行量は1000万COMPに設定されており、そのうち42%がCompoundのユーザーへ約4年間かけて配布されることになっています。

残りの58%はCompoundの開発チームや初期の投資家が保有するよう設計されました。

Compoundの運営に参加したい場合は、COMPを入手する必要があります。

COMPは、取引所で購入することができるだけでなく、Compoundを利用することで獲得することも可能です。


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分散型ガバナンスの実態

CompoundにおけるCOMPを使ったガバナンスでは、全ての提案に対して3日間の投票期間が設けられています。

提案の例としては、Compoundで使用可能な仮想通貨の種類を決めたり、仮想通貨ごとの利率を決めるパラメータの数値を決めたりと多岐に及びます。

それぞれの提案は、過半数および最低40万の賛成票を集めた場合にのみ承認され、その後専用のスマートコントラクトに追加されてから2日後に開発が始まるようになっています。


Compoundにおける意思決定には、特定の管理者が一切介在せず、COMPの保有者によって進められます。

意思決定後に実際に開発を行うのは、Compoundを生み出したCompound Labsのメンバーが中心となりますが、あくまで決定された内容に従って実行するだけです。


Compoundでは、COMPの総発行量のうち1%以上を保有していれば、ガバナンスへの参加権を得ることができます。

現在までに約30人が全体の1%以上を保有しており、実質的にCompoundはこの30人によって運営されていることになるのです。

なお、30人の中には個人だけでなくベンチャーキャピタルなどの法人も含まれています。


COMPは、本来ガバナンスを分散化するために発行されたものでしたが、価格が高騰したことで結果的に早期の分散化を実現することには繋がりませんでした。

COMPの時価総額は20億ドルを超えているため、Compoundのガバナンスに参加する1%のCOMPを保有するには、2000万ドル以上を費やさなければならないのです。


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【レッスン⑤】 分散型ガバナンスの未来

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