現代の金融サービスの非効率性
現代の金融サービスは、特定の管理者がコントロールすることを前提に構築されています。
送金であれば銀行が、株取引であれば証券会社が利用者の間に入ることで仲介し、円滑な取引を実現しています。
しかし、管理者が存在することによる弊害が出ているのも事実です。
まずは何と言っても取引コストが発生している点があげられます。
取引コストとは、利用者に手数料として現れる費用を意味します。
取引コストが発生する要因としては、利用者の取引を円滑に実現するための重厚なインフラシステムの構築や、人的リソースなどがあげられます。
金融サービスの場合、常に安心・安全な取引を実現するために莫大なコストをかけてシステムを構築しています。
また、銀行での与信審査や証券口座の開設時には、利用者の身元を確認するオペレーションをこなす人員が必要です。
こうしたコストが発生することから、少額の送金や貸し借りが難しくなっているのが現代の金融サービスの課題の1つとしてあげられるでしょう。
加えて、これらの課題から生じる更なる弊害として、取引に時間がかかる点も忘れてはなりません。
現代の金融サービスの場合、取引を処理する際に様々なシステムを動かさなければならず、また、オペレーションを人間が行うことで余計に時間がかかってしまいます。
送金が翌日になることはもはや当たり前であり、与信審査に数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。
「今お金を送りたい」「今お金を借りたい」そういった需要に、現代の金融サービスは応えられていないのです。
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仲介業者による制約
管理者および仲介者が存在することによる弊害は他にもあります。
最も大きな問題は、金融包摂を実現できない点だと言えるでしょう。
金融包摂(Financial Inclusion)とは「すべての人々が経済活動に参加できるよう、また経済的に不安定な状況を軽減するために、必要とされる金融サービスにアクセスできそれを利用できる状況のこと」と世界銀行により定義されています。
つまり、全世界の人々が平等に金融サービスを享受できることを金融包摂というのです。
この金融包摂は、現代の金融サービスに管理者および仲介者が存在することで実現できていません。
管理者がいるということは、先述の通り一定のコストがかかるということです。
コストがかかるということは、そのコストを回収するための利益を出さなければなりません。
すると、利益を多くあげられるように金融サービスを提供する相手を選ぶようになります。
その結果、所得の高い人々を中心にサービスが開発され、顧客を選ぶ形で提供されるようになってしまうのです。
所得の低い人々は現代の金融サービスから締め出され、銀行口座を持つことができません。
全世界には、銀行口座を持っていない人々が数十億人いるとされています。
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Compoundとは
現代の金融サービスの抱える問題を解決するために誕生したのが、分散型金融(DeFi)です。
DeFiは、ブロックチェーンを活用することで管理者の存在しない金融サービスを開発することに成功しました。
決して現代の金融サービスと競合するものではなく、現代の金融サービスに足りない要素を補うことを目的としています。
その中でも一際大きく期待を集めているのが、Compound(コンパウンド)です。
Compoundは、資金の貸し借りを行うレンディングサービスです。
これまでであれば、お金を借りるのに銀行へ行って審査を受ける必要がありました。
一定の所得がある人であれば、問題なく審査を通過できますが、そもそもお金を借りる必要がある人は所得が低いことが珍しくありません。
しかし、所得が低い場合は審査が通りにくかったり、通っても通常よりも高い金利でお金を借りなければならなかったりと、何かと不便であることは間違いないでしょう。
Compoundは、ブロックチェーンを活用することで管理者を排除し、顧客を選ばない平等な貸し借りを実現したDeFiレンディングサービスです。
この後のカリキュラムでは、Compoundの仕組みや革新性について学ぶことで、DeFiレンディングの概要や今後の動向などについて理解を深めていきます。
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