【レッスン⑤】ブロックチェーンは常に分岐している！？

ブロックチェーンが分岐する理由を知っておこう

ブロックチェーンは、無数に存在するノードによって管理されていることはこれまで何度も学習してきました。

これらのノードは、全てが同じ計算作業（マイニング）を同時に行なっています。

しかし、物理的な複数のノードが、全く同じ計算作業を同時に行うことは困難を極めます。

そのため、ノードが行う計算作業には、頻繁に誤差が発生します。

このノードの計算作業の誤差こそが、ブロックチェーンが分岐する原因となります。

なぜなら、異なる計算作業を行うことで、異なるブロックが形成されてしまうからです。

異なるブロックが形成されるということは、当然異なるブロックチェーンが形成されるということになります。

このようにして、ブロックチェーンは分岐（ブロックチェーンが複数形成される）していくのです。

分岐したブロックチェーンはどうやって一つになるの？

ブロックチェーンは分岐するということを学習しましたが、永久的に分岐したままではありません。

ブロックチェーンには、最も長いものを正しいものとする、というルールが存在します。

従って、各マイナーは分岐したブロックチェーンの中で正しいと思うものを選択し、そのブロックチェーンに対して新たなブロックを連結させていきます。

このようにして、せいぜい数ブロック分だけ分岐が発生し、その後は自然と一つのブロックチェーンに収束していくのです。

分岐には種類がある！？

ブロックチェーンの分岐には、「ソフトフォーク」と「ハードフォーク」の二種類が存在します。

ソフトフォークとは、ブロックチェーンの各ブロックの形成ルールを、より厳しくするための変更に伴うブロックチェーンの分岐を意味します。

一方のハードフォークは、ブロックチェーンの各ブロックの形成ルールを、より易しくするための変更に伴う分岐です。

今のところ、ブロックチェーンをより多くの場面で活用するために、ブロックチェーンに汎用性や柔軟性を持たせるためのルール緩和、すなわちハードフォークが多く発生しています。

ただし、ハードフォークを実施してルールを緩めることに対しては、ブロックチェーンを管理するノードの反対意見が出やすくなります。

なぜなら、ブロックチェーンの特徴である「可用性」と「分断耐性」を損なう可能性があるからです。

そのためハードフォークの場合は、全てのマイナーの同意を得ずに強行されることが多くなっています。

これにより、ブロックチェーンが分岐するだけでなくマイナーも分裂することになります。

このマイナーの分裂は、管理主体の分裂を意味することになりますので、マイナーがマイナーとして活動する最大の理由「経済的インセンティブ」すなわち報酬としての仮想通貨も分裂することになるのです。

例として、ビットコインのブロックチェーンが過去にハードフォークを強行した際に、同意しないマイナーが一定数以上いたため、結果として新たな仮想通貨「ビットコインキャッシュ」が誕生しています。