分散ネットワークにおける合意形成について理解しよう
企業や学校などのようなたくさんの人が集まる組織において、全員一致の意思決定を下すことは困難を極めます。
そのため、企業にはマネージャーやリーダーといった組織の管理者が存在し、学校であれば先生や学級委員といった人が意思決定を促します。
しかし、ブロックチェーンには管理者が存在しません。
ブロックチェーンのようなP2P方式の分散ネットワークにおける合意形成の方法は、これまで最適なものが出てきていませんでした。
要するに、各ノードによって取引の処理結果がばらばらになってしまい、容易に不正な取引を実行できてしまう状態となっていたのです。
ここで、多数決で決めればよいのではないか?という解決策が浮上します。
しかし、ブロックチェーンを管理するノードの数は特定することができないため、多数決をしようにも何をもって過半数に達したとするか、を定義することができないのです。
检查您的课程进度
了解了本课的内容,
就点击 "检查 "按钮吧!
ビザンチン将軍問題って何?
P2P方式の分散ネットワークについては、古くから語り継がれる大きな問題が存在しています。
それがこのビザンチン将軍問題です。
ビザンチン将軍問題とは、不特定多数の意思決定者が存在する状況下で、どのようにすれば合理的で最適な意思決定を下すことができるか、という思考事例のことをいいます。
舞台はオスマン帝国の将軍たちが、ビザンチン帝国(6世紀以降の東ローマ帝国)の首都を攻略しようとする状況から始まります。
将軍たちは、ビザンチン帝国を攻略しようとしますが、一部の将軍だけで攻めても敗北することは明らかであるため、全ての将軍が一致団結しなければなりません。
ここでは、オスマン帝国の将軍は9人いることが判明しており、この9人において、「攻め」か「撤退」かを多数決で決定することにしました。
なお、この時代にはインターネットは存在しないため、遣いを送ることで最終的な意思決定を共有することになっています。
その後、4人が「攻め」、4人が「撤退」という意見を表明し、残り1人の意見によって全将軍の行動が決定される状況となりました。
しかし、この最後の1人はビザンチン帝国からのスパイであり、「攻め」の意見を表明している4人に対しては「撤退」を共有し、「撤退」の意見を表明している4人に対しては「攻め」を共有してしまいます。
すると、最終的にオスマン帝国の4人の将軍だけが攻略に向かうため、ビザンチン帝国の返り討ちにあってしまうことになるのです。
检查您的课程进度
了解了本课的内容,
就点击 "检查 "按钮吧!
コンセンサスアルゴリズムをマスターしよう
ここからは、ビザンチン将軍問題のような、不特定多数の意思決定者が存在する状況下で、最適な意思決定を下す方法について学習していきましょう。
ブロックチェーンは、ビザンチン将軍問題のような状況を解決することのできる初の仕組みであるといわれています。
ブロックチェーンの場合、思考を180度反転させて、そもそも必ず最適な意見だけが表明されるようにする、というアプローチを取っています。
要するに、不特定多数の意思決定者から表明される異なる意見をまとめようとするのではなく、そもそも最初から全員が同じ意見を表明するようにすれば良い、という考え方です。
ここで登場するのが、カリキュラム「ブロックチェーンと仮想通貨の関係を理解しよう」で学習した「経済的合理性」としての仮想通貨です。
最適な意見を表明することで、何かしらのインセンティブがある状況であれば、誰しも常に最適な意見を表明するだろう、という前提を置いています。
この、最適な意見を表明することで経済的インセンティブを獲得できる仕組みのことを、コンセンサスアルゴリズムといいます。
そのため、ブロックチェーンの最大の発明は、分散ネットワークにおける合意形成に経済的インセンティブを組み込んだこと、であるといわれているのです。
このコンセンサスアルゴリズムの代表例には、プルーフオブワーク(PoW)やプルーフオブステーク(PoS)が存在します。
检查您的课程进度
了解了本课的内容,
就点击 "检查 "按钮吧!