Avalancheとイーサリアムの違い
2021年2月時点では、イーサリアムはコンセンサスアルゴリズムにプルーフオブワークを採用しています。
スケーラビリティ問題を解消するために、現在もプルーフオブステークへの移行が進められており、その一環としてシャーディングと呼ばれる仕組みが導入される予定です。
これは、コンセンサスアルゴリズムとは別物であり、プルーフオブステークに上乗せする形で組み込まれます。
Avalancheでは、分散型ネットワークの基盤であるコンセンサスの部分からスケーラビリティ問題へ根本的なアプローチをしています。
これが1つ目の違いです。
すなわち、スケーラビリティ問題への対応方法が異なっています。
また、イーサリアム上に開発されるアプリケーションは、基本的に全て同じリソースを使用する仕組みになっています。
つまり、全てのアプリケーションが同じガス代を支払い、同じストレージを使用し、同じルールや制限のもとで動作するのです。
これに対してAvalancheは、アプリケーションごとに固有のサブネットを作成することができます。
こうすることで、リソース配分に無駄が発生せず、柔軟にルールを作ることが可能です。
例えば、大規模アプリケーションと小規模アプリケーションとでは使用するストレージに大きく差があるため、Avalancheで独自のサブネットを作成することにより、適切なネットワークを構築することができます。
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Avalancheはイーサリアムと競合するの?
ここまで学習したことで、Avalancheが「イーサリアムキラー」すなわちイーサリアムの競合であるかのように感じるかもしれません。
しかしながら、Avalancheはイーサリアムの競合ではありません。
Avalancheではイーサリアムに最大級のリスペクトを持っており、イーサリアムを補完するための開発を進めています。
レッスン2で学習したAvalancheコンセンサスが、ビットコインの元になっているナカモトコンセンサスを補完するためのものであったのと同様、Avalancheネットワークはイーサリアムを補完するためのものなのです。
実際、Avalancheはイーサリアム上に開発されている全てのアプリケーションに対応しています。
対応しているというのは、イーサリアム上のアプリケーションは全てAvalanche上でも動作するということを意味します。
これにより、例えばイーサリアムのガス代が高騰している場合にはAvalancheを使ってアプリケーションを動かす、といったことが可能になるのです。
また、イーサリアムエコシステムがこれまで提供してきたアプリケーション開発用のツールなどにも、Avalancheは全て対応しています。
これには、ウォレットのMetaMaskやMyEtherWallet、イーサリアム用のJavaScript APIのweb3.js、フレームワークのTruffle Suite、プログラミング言語のSolidityなどが含まれます。
これらは全て、AvalancheがイーサリアムのVirtual Machineに対応していることに起因します。
レッスン3で学習した通り、Avalancheには独自のVirtual Machineが存在しますが、イーサリアムのVirtual Machineにも対応することで、イーサリアムエコシステムの全てに対応することができるのです。
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Avalancheとイーサリアムの統合!?
今や他を寄せ付けないブロックチェーンネットワークへと成長したイーサリアムですが、その中で最も重要なのは開発者コミュニティです。
テクノロジーは、優秀な開発者を惹きつけることで加速度的に成長していきます。
Avalancheは、イーサリアムの開発者コミュニティを惹きつけるべく、Virtual MachineやSolidityというイーサリアム特有の仕組みにも対応しました。
これにより、イーサリアムの開発者が迅速かつ気軽にAvalanche上でアプリケーションを開発することが可能になったのです。
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