【レッスン①】ブロックチェーンの課題とAvalanche

Why does this lesson matter?

一口にブロックチェーンと言っても、ビットコインやイーサリアムなど多岐にわたります。しかしながら、それらのブロックチェーンには共通するいくつかの課題が存在します。本レッスンでは、既存ブロックチェーンが抱える課題とそれらを解決する次世代ブロックチェーンについて学習しましょう。

What you can learn in this lesson

  • ブロックチェーンの抱える課題
  • Avalancheとは
  • Ava Labsについて

ブロックチェーンの抱える課題って?

Web3.0を実現すべく、様々なブロックチェーンプロジェクトの開発が進められてきました。

その中でも、ビットコインやイーサリアムは多くの資金や開発者を集めることに成功しており、ユースケースも既に多数誕生しています。


しかしながらこれらには共通の課題が存在し、未だに解決されていません。

その最たるものが、スケーラビリティ問題です。


スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーン上で行われる取引の処理性能に関するものです。

処理性能を超える量の取引が発生してしまった場合に、処理が追いつかずに遅延が起きてしまう現象を意味します。

これは、ブロックチェーンの実用化が進むほど顕著になる問題であるいえるため、早急な解決が求められているのです。


中でもイーサリアムは、スケーラビリティ問題に付随してガス代という取引手数料の高騰も大きな問題になっています。

スケーラビリティ問題に伴い、イーサリアム上での取引遅延が発生すると、利用者は早く取引を承認させるために取引手数料を引き上げなければならないのです。


2021年1月時点では、ビットコインは7トランザクションイーサリアムは15トランザクションしか1秒間に処理することができないといわれています。

これでは、世界的に使用されるブロックチェーンとして普及していくことは難しいでしょう。


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処理性能に優れたブロックチェーン

この問題については、セカンドレイヤーという解決策の開発が急ピッチで進められています。

ビットコインの場合はLightning Networkと呼ばれるものが、イーサリアムの場合はOptimistic Rollupと呼ばれるものなどがあげられます。


これに対して、新たなブロックチェーンが誕生する傾向も強まってきました。

その代表例がAvalancheです。


Avalancheは、クレジットカードのVISAやMasterCardに匹敵する処理性能を誇ります。

1秒間に少なくとも4,500以上のトランザクションを処理し、瞬時に取引を決済することが可能です。


ビットコインやイーサリアムなどの従来のブロックチェーンでは、基本的に全てのノードが同一のデータを保有する必要がありました。

全てのノードが同一のデータを保有することにより、ブロックチェーンネットワーク全体の耐改ざん性と高めていたのです。


しかしながら、Avalancheでは全てのノードが同一のデータを保有する必要がありません

同一のデータを保有する必要がないため、全てのノードにデータが行き届く時間を待つ必要がなく、その分だけ処理性能を高めることができるのです。

これは、ゴシップネットワークと呼ばれる小さなバッチ処理によって通信することで実現しています。


なお、処理性能に優れるAvalancheですが、セキュリティ性能や拡張性にも長けています。

ビットコインのようにマイニングの際に大量の電力を消費しないため環境にも優しく、日常的に使用するコンピュータがあれば十分です。


Avalanche自体はパブリックチェーンになりますが、カスタマイズすることで様々な定義づけも可能になります。

例えば権限の設定やプライバシー機能などを高めることも可能です。

なお、これらの詳細はレッスン2で学習します。


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Avalancheの誕生秘話

Avalancheは、ビットコインやイーサリアムと同じパブリックチェーンです。

そのため、オープンソースのプロジェクトになっています。


そんなAvalancheの開発を中心となって進めているのが、Ava Labsです。

Ava Labsは、ニューヨークのブルックリンを拠点に活動しており、a16zやPolychain Capitalといった著名ファンドによる資金提供を受けたことで話題となりました。


Avalancheは元々、Team Rocketという匿名のグループによって概念が提唱されています。

Ava Labsは、Team Rocketの提唱したAvalancheの発展を支える組織として発足しました。


Team Rocketは、ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトになぞらえて名称がつけられたといいます。

これは、サトシ・ナカモトを日本の人気アニメであるポケモンの主人公サトシとして定義することで、そのライバル的存在であるロケット団に由来しました。


そのため、Team Rocketの提唱したAvalancheも、ナカモトコンセンサスを超えるアルゴリズムを開発しようと励んでいるのです。

なお、一見するとAvalancheはビットコインを敵対視しているように思えますが、ビットコインに不足している機能を補完する位置付けにあるとしています。


Avalancheの主な目標は、分散型金融(DeFi)のためのプラットフォームになることです。

ビットコインが電子通貨システムであるならば、Avalancheはそれを含有する全ての分散型金融システムのための基盤ということになります。


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