【レッスン④】ビットコインキャッシュ独自の特徴や技術

ビットコインキャッシュで独自トークンを発行できる？

ビットコインからハードフォークすることで誕生したビットコインキャッシュですが、独自の特徴や技術を常に開発し続けています。

本レッスンでは、その代表例として「Simple Ledger Protocol（SLP）」について学習しましょう。

ブロックチェーンそのものの特徴として、そのネットワーク上に発行されるトークンに確かな価値を持たせることができる点があげられます。

例えば、イーサリアムの共通規格であるERC-20を使うと、簡単に独自トークンを発行することができるのです。

これにより、ICOという独自トークンを使った資金調達が誕生しました。

PoLで学習することができる「ALIS（ALIS）」や「MakerDAO（MKRやDAI）」、「Kyber Network（KNC）」といったプロジェクトにおける独自トークンは全て、イーサリアムのERCを使って発行されています。

ビットコインキャッシュにも、このERC-20に類似した「Simple Ledger Protocol（SLP）」という仕組みが存在します。

つまり、ビットコインキャッシュを使って簡単に独自トークンを発行することができるのです。

特徴としては、SLPを使って発行されたトークンは全て、取り扱い可能なウォレットが複数存在している点、トークン発行のタイミングを最初の1回に固定せず、柔軟な発行プロセスを組むことができる点などがあげられます。

また、Non-Fungible Token（NFT）を発行できる点も大きな特徴です。

NFTとは、代替不可能なトークンを意味するものであり、世の中に唯一無二のトークンとして発行することができる仕組みです。

ゲームやコンテンツの管理に使われることが多く、ゲームキャラクターやデジタルコンテンツを唯一無二の存在にすることができます。

ビットコインキャッシュの未来を覗いてみよう

本レッスンで学んだ内容は、ビットコインキャッシュにおける仕組みの一部にすぎません。

ビットコインキャッシュでは、半年に一度のサイクルで定期的なプロトコルのアップデートを行なっています。

アップデートのタイミングは5月15日と11月15日に決まっており、直近に形成されたブロックにおけるタイムスタンプの中央値が、UNIXタイムスタンプの5月15日または11月15日の 12:00:00 UTCと同じか大きくなると、アップデートが有効になるのです。

通常、ブロックチェーンをアップデートする際には「〇〇個目のブロックから反映される」というように定められます。

しかしこの場合、いつ当該のブロックが形成されるかわかりづらくなっています。

ビットコインキャッシュの場合、アップデートに向けた準備をしやすいようにブロック数ではなくタイムスタンプを採用しているのです。

アップデートは、主に3つの技術的なカテゴリに分けられます。

スケーラビリティ

スケーラビリティ問題への対応方法によってハードフォークしたビットコインキャッシュですが、今後さらなるスケーリング性能の向上を目指しています。

最終的には、1秒間に500万トランザクションを処理することが目標です。

これを実現するために、具体的には次のようなアップデートを予定しています。

• トランザクション格納方式（CTOR）：拡張可能ブロック処理（実装済み）
• シュノア署名 ：署名検証のバッチ処理）（実装済み）
• ブロック伝播の効率化：グラフェンその他
• UTXOコミットメント：ブロックチェーン剪定
• メルクリックスメタデータツリー：拡張可能ブロック処理
• 順応性のあるブロック・サイズ：1TBブロックまでの成長は市場主導
• Mankind Scale：100億人一人当たり一日50取引

ユーザービリティ

仮想通貨・ブロックチェーンはまだまだ使いにくく、より多くの人に利用されるためにはユーザビリティの向上が欠かせません。

ビットコインキャッシュでは支払い体験を重要視しており、即時性（3秒以内）と信頼性の向上を目指しています。

具体的には、次のようなアップデートを予定しています。

• CashAddr：ユーザーにより簡単でより安全（実装済み）
• Sighash：ハードウェア・ウォレット・セキュリティ（実装済み）
• 送金料の改善：より安い手数料
• 事前合意形成：ベンダー側のほぼ即時セキュリティ
• 分数のサトシ：常に低い送金手数料
• Best Money：3秒以内に安全、そして常に低い送金手数料

拡張性

より汎用的な通貨を目指しているビットコインキャッシュでは、拡張性も重要な要素としてピックアップしています。

拡張性を高めるために、具体的には次のようなアップデートを予定しています。

• 一般的なオペコード（実装済み）
• 223 bytes OP_RETURN：オンチェーンソーシャルネットワーク（実装済み）
• OP_CHECKDATASIG：オラクルと高度なスクリプト（実装済み）
• さらに多くのベーシックオペコード
• 新しいトランザクション形式：更にコンパクト、より高性能に
• Token Economy：ブロックチェーン上で様々なアセットクラスを取引出来る様に

現時点では、これら全てのアップデートが完了してようやくビットコインキャッシュが完成すると定義されています。

世界統一通貨としての道のりは長く、まだまだ始まったばかりなのです。