Celoのステーブルコインが価値を担保する仕組み
Celoで発行されているステーブルコイン「cUSD」や「cEUR」は、CELOやビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ステーブルコインDAIなどの資産を担保に発行されています。
以下の図の通り、担保資産のほとんどはCeloのネイティブ通貨CELOとなっています。
発行されているステーブルコインの合計価値よりも担保資産の合計価値が高い限り、ステーブルコインの価値は十分に担保されていると考えられます。
2021年6月時点における担保比率は約1,200%となっており、担保資産の価値が約7億ドル、ステーブルコインの価値が約5,500万ドルであることから十分な担保資産がある状態だと言えるでしょう。
ただし、今後CELOやビットコインに価格変動が起きた場合には、ステーブルコインの流通量の変化に応じて担保比率は変動するという点に留意しなければなりません。
例えば、CELOやビットコインなど担保資産の価値が50%下落した場合、担保比率は600%に低下し、cUSDなどステーブルコインの安全性低くなると言えます。
以上のような過剰担保を維持することで、Celoのステーブルコインは価値を守り続けることが可能です。
一方で、これだけではステーブルコインの仕組みとしては不十分です。
価格を1cUSD=1ドルなどの目標価格で維持させるには、価格を安定させる独自の仕組みが必要になります。
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ステーブルコインの価格安定メカニズム
cUSDがステーブルコインとして広く受け入れられるためには、1cUSDの価格が常に1ドルで維持されている必要があります。
Celoは、ステーブルコインの価格に応じて供給量を随時コントロールすることで、価格の安定化を実現します。
具体的には、以下の2つのメカニズムが働いています。
①ステーブルコイン価格 > 安定価格のとき(例:1cUSD = 1.1ドル)
Celoのシステムは、オークションを通してcUSDを新規発行・販売することで、流通量を増加させます。
流通量が増加することで1cUSDあたりの価値が下落するため、1cUSDの価格が1ドルに下がるまで新規発行を続けます。
②ステーブルコイン価格 < 安定価格のとき(例:1cUSD = 0.9ドル)
Celoのシステムは、オークションを通して担保資産のCELOを売却し、市場からcUSDを買い上げBurn(バーン、焼却)します。
バーンすることで流通量が減少し1cUSDあたりの価値が上昇するため、1cUSDが1ドルに上がるまで買い上げ・バーンを続けます。
どちらのシナリオにおいても、市場のアービトラージャー(裁定取引者)が経済インセンティブのもとに行動する限り、自動的にステーブルコインの価格は維持されます。
以下は、上記の①および②におけるアービトラージャーの動きです。
①Celoシステムのオークションに参加しcUSDを安値で購入
購入したcUSDをすぐに高値で売ることにより利益を獲得する。
例:100ドル分のCELOで100cUSDをシステムから購入し、市場で100cUSDを売却し110ドルを得る。よって10ドルの利益を獲得。
②市場でcUSDを安く購入
システムのオークションに参加し、CELOを買ってcUSDを高値で売ることにより利益を獲得する。
例:90ドル分のCELOで100cUSDを市場で購入し、Celoのシステムで100cUSDを売却し100ドル分のCELOを得る。よって10ドルの利益を獲得。
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Celoはモバイルファーストをどのように実現するのか
レッスン2で、Celoはモバイルファーストなプラットフォームであると学習しました。
Celoのブロックチェーンアドレスは、ユーザーのモバイル端末の電話番号と紐づけることが可能です。
実際、Celoのモバイルアプリ「Valora」では、電話番号を登録するとアドレスが生成される仕組みになっています。
こうすることで、Celoのユーザーは覚えにくいアドレスではなく電話番号を入力するだけで送金ができるようになります。
さらに、電話番号に紐づいたアドレスをデジタルアイデンティティとして活用し、信用スコアシステムを構築していくことも可能です。
Celoは、EigenTrustと呼ばれる評価付けアルゴリズムを活用し、個々のアドレスに信用スコアを付与するシステムの構築に取り組んでいます。
EigenTrustは、GoogleのWebページの重要度を計るページランクシステムにも使われているアルゴリズムです。
このような基盤技術によって、身分証明書や銀行口座は持たないもののモバイル端末は保有しているという人々に対して、Celoを使うことでより簡易的に送金や与信、その他の金融サービスを提供できることになります。
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