dYdXにおける融資の仕組み
dYdXでは借り手と貸し手が直接やりとりをすることはなく、全てのユーザーが流動性プールを利用して資金の貸し借りを行います。
貸し借りが可能なアセットは、アセットごとにスマートコントラクトによって管理された独自の流動性プールを持つため、借り手が貸し手とのマッチングを待つ必要なくいつでも引き出し、借り入れ、貸し出しを行うことができるのです。
金利
貸し借りが可能な各アセットにはそれぞれ金利が設けられており、この金利は一定ではなく、需要と供給によって変化するように設定されています。
dYdXでは、ある資産に対して、貸出金利と借入金利の2つの金利が存在し、基本的には借入金利は貸出金利より高く設定されています。
借り入れる場合
dYdXでは全てのユーザーが貸し借りを行うことができますが、借入の際には事前に担保を預ける必要があります。
dYdXや他のレンディングプロトコルでは、過担保、つまり融資額の100%以上を預けなければならないのが基本です。
dYdXの場合、借入前に融資額の125%を担保として預ける必要があります。
他のレンディングプロトコルでは150%の担保が必要なところが多いため、125%という数字は比較的低く設定されたものになります。
また、115%の担保率を維持しないと清算(強制的な借入の返済)が行われるようになっているため借入の際は注意が必要です。
この115%という比率は無作為に選ばれたものではなく、リスクの高い融資を受ける借り手から貸し手を守るために存在しています。
貸し手の貸した資金が確実に返済されるように、借り手の資金が担保を下回る前に強制的に返済してしまおうということです。
dYdXの担保率は、担保をドル建て負債で割る(負債/担保)だけで計算できます。
例えば、DAIでの融資に対して3ETHを担保にあてるとしましょう。
DAIは1ドルに相当するステーブルコインで、ETHは3000ドルで取引されているとします。
この場合、次のような式が成り立ちます。
担保3ETH × 3000ドル = 9000ドル
最大貸出額9000ドル / 7200ドル = 1.25 (=125%)
ローン:7200DAI
つまり、スタート時の担保率125%を満たすには、3ETHを担保に7200DAIを借りるのが限界となります。
また、dYdXで清算されないためには、借り手は115%の比率を維持する必要があるため、上記の例では7826ドルの担保レベルを維持する必要があります。
では、ETHの価格が2,800ドルまで下がったらどうなるでしょうか?
最低担保額7826ドルに対して、
担保額:3 × 2800ドル = 8400ドル
このような状況であれば、価格が下がっても清算されず損はしないでしょう。
しかし、ETHが2600ドルまで下がったらどうでしょうか?
最低担保額7826ドルに対して、
担保額:3 × 2600 = 7800ドル
ETHが2600ドルまで下がると、清算されることがわかります。
ボラティリティの高まっている相場では、担保率がしっかりと維持されているかに気を配ることが大切なので、利用する際は十分注意してください。
dYdXでの貸出(流動性の提供)
リスクを少なく、金利収入を得たいという人には、貸出(流動性の提供)が向いているかもしれません。
dYdXでは最低貸出期間がなく、新しいブロックが採掘されるたびにすぐに利息が発生するのが良い点です。
また、資金は一定期間固定されることはなくいつでも入金、出金することができます。
dYdXに貸出されたアセットはプールに入り、貸し手は同じアセットを借りている他ユーザーから利息を受け取ることができます。
先ほど説明した担保率と清算によって、借り手には未払いの融資を返済するのに十分な担保が手元にあることが保証されているため、貸し手はリスクを低く利息を得ることができる仕組みになっています。
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DYDXトークンの仕組みと目的
DYDXトークンは、主に報酬として使用され取引プラットフォームの成功に大きく寄与しています。
以下でDYDXトークンがどのような報酬として機能しているのかを見てみましょう。
dYdXの流動性提供者への報酬
分散化された流動性は、dYdXが運営するにあたって重要な要素です。
流動性提供者から預かった資金がなければ、取引所は需要をサポートする手段を持たず、中央集権的な取引所と同じになってしまいます。
流動性提供者にインセンティブを与えるため、dYdXの流動性プールは、プールにUSDCを預けたユーザーにDYDXトークンで報酬を与えています。
この報酬には、トークン供給総量の2.5%に相当する2500万DYDXトークンが割り振られています。
また、流動性提供者はUSDCをプールにステークすると、stkUSDCを受け取ることができます。
このトークンはUSDCをdYdXにステークしている証拠のようなものだと言えます。
dYdX取引リワード
流動性を提供する以外にも、プラットフォームでトレードすることでDYDXトークンを獲得するという方法があります。
この報酬には、2億5000万DYDXトークンが配分されており、dYdXでトレードしたユーザーに報酬として与えられます。
これは全トークン供給量の25%に相当し、dYdXのユーザーへの献身的な姿勢を示していると言えるでしょう。
取引手数料の割引
DYDXトークンは取引手数料の節約にも役立ちます。
ウォレットにDYDXトークンを入れておき、取引するだけで取引手数料の割引を受けることができるのです。
割引率はDYDXトークンの保有量に応じて変わり、最大で50%割引が適用されます。
DYDXのガバナンストークン
dYdXは他のDeFiアプリケーションと同様に、ガバナンスをネイティブトークンを用いた投票を通じてコミュニティーが決定しています。
ガバナンストークンとしての機能は直接的に報酬を得るためのものではありませんが、間違いなく報酬を得ることに繋がります。
また、DYDXトークンはプロトコルの管理にも使用され、トレーダーや流動性提供者などの全てのdYdXユーザーに関係する提案が行われたときに、投票券としての機能を発揮することになります。
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