【レッスン②】分散型金融(DeFi)とKyber Network

なぜこのレッスンが必要なのか

イーサリアムなどのパブリックチェーンを利用することで、現在の銀行や証券会社が運営している伝統的な金融サービスとは全く異なる、新たな金融システムを構築することが期待できます。この新たな金融システムを、総称して分散型金融(DeFi)と呼びます。本レッスンでは、分散型金融の概要とその仕組みを支えるKyber Networkの役割について学び、パブリックチェーンの主な活用事例を把握していきましょう。

このレッスンで学べること

  • Kyber Networkの役割
  • パブリックチェーンが作り出す新たな金融システム
  • パブリックチェーンの主な活用事例

目次を表示する

Kyber Networkの役割


レッスン①で学んだ通り、イーサリアムを活用したアプリケーションおよびサービスは、既に世界中で開発され続けています。

例えば、PoLで学習することができる「ALIS」や「MakerDAO」も、イーサリアムを使って開発されています。


このようなサービスが多数開発されることにより、そのサービスで使用される独自の暗号通貨も多数誕生しました。

ALISであれば「ALISトークン」、MakerDAOであれば「Dai」や「MKR」が該当します。

これらの暗号通貨は異なるサービスで使用されるため、例えばALISトークンが使える場面ではDaiは使えない、といった問題が生じるようになりました。


そこで開発されたのが、Kyber Networkです。

Kyber Networkは、ALISやMakerDAOと同じくイーサリアムを使って開発されたサービスです。

イーサリアムを使って開発されたサービス同士を繋ぎ、異なる暗号通貨でも交換や貸し出し、送金をシームレスに行うことができるようにしています。

例えばKyber Networkを介すことで、ALISトークンで送金しても受取人はDaiで受け取る、といったことができるのです。

※ここではわかりやすくALISを例にあげていますが、2020年3月時点ではKyber NetworkはALISには対応していません


Check your achievement

Click the “Tick” button
if you understand the lesson so far.

イーサリアムを使った分散型金融について学ぼう


イーサリアムを使ったサービスの中で、近年急速に勢いを増しているのが金融分野です。

ブロックチェーンで構築される金融システムのことを、総称して分散型金融(DeFi:Decentralized Finance)と呼びます。

既存の金融システムのような特定の管理者が存在しないため、このような呼称がつきました。


DeFiでは、銀行や証券会社に代表される既存の金融機関にはできないことが期待されています。

DeFiの主な特徴は次の3つです。

  • 金融サービスの開発が自由になる
  • 金融サービスへのアクセスが自由になる
  • 金融サービスが自動化され効率が良くなる


イーサリアムパブリックチェーンであるため、開発者は自由にイーサリアムを使ったサービスの開発ができます。

これは金融分野にもいえることであり、これまで個人で開発することが難しかった金融サービスも、ブロックチェーンを使うことで自由に開発することができるのです。


既存の金融サービスでは、免許取得やセキュリティ強化のための膨大な初期投資が必要となり、個人が自由に開発できるものではありませんでした。

しかし、ブロックチェーンは全ての人に開かれたプラットフォームであり、そこで行われる開発を止めることは誰にもできません。

優秀な個人の開発者が多く参入することで、より良いサービスが誕生する機会が増加します。


DeFiは、金融システムへのアクセス手段を全世界へ開放します。

例えば、銀行口座を持たない人でもインターネットさえあれば暗号通貨を手にすることができ、DeFiサービスを使って様々な金融システムへアクセス可能です。

単純にビットコインを保有するだけでなく、保有するビットコインで資産運用ができたり保険に入ることができたりします。


また、DeFiでは取引を自動化できる点も特徴的です。

イーサリアムを使うことで、スマートコントラクトを活用することができるため、暗号通貨の売買や貸し借り、預け入れなどを不正なく確実に実行することが可能となります。

これにより、手動で行ってきた既存の金融システムと比べて安価にサービスを構築することもできるでしょう。


Check your achievement

Click the “Tick” button
if you understand the lesson so far.

Kyber Networkが支えるDeFiの具体例を知っておこう


社会を大きく変革する可能性を秘めたDeFiにおいて、Kyber Networkがどのような働きをするのか、具体例と共にみていきましょう。


ステーブルコインの交換

MakerDAOカリキュラムで学習しますが、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような価格変動の激しい暗号通貨の代わりに、Daiのようなステーブルコインの需要が伸びています。

ETHをDaiに、逆にDaiをETHに交換したい場合、Kyber Networkを活用することですぐに交換することができます。


Kyber Networkには、多くのETHやDaiが保管されているため、Kyber Networkを仲介することでいつでもすぐに異なる暗号通貨に交換することができるのです。


暗号通貨レンディングの担保

近年のDeFiにおいては、暗号通貨を貸し借りできるサービスが大きく成長しています。

一般的に、暗号通貨を借りる場合は、担保としてETHなどの暗号通貨を預け入れる必要があります。

もし借りた暗号通貨を返せなかった場合、担保として預け入れた資産が没収されてしまいます。


この場面において、サービス提供者はKyber Networkを使うことで、担保として預かった資産の価値が貸し出した資産の価値よりも下がった場合でも、Kyber Networkを介して担保資産をすぐに売却できるため、損失を拡大させずにシステムを維持することができます。


投資信託

DeFiの中には、暗号通貨への複雑な投資戦略を自動で実行してくれるサービスも存在します。

自動的にポートフォリオが組まれ、予め決められた価格に達すると、値上がりした暗号通貨を使って値段の安い別の暗号通貨を購入する、といった処理が実行されます。

この処理を自動的かつ確実に実行するために、Kyber Networkが使われています。


Kyber Networkを活用することで、いつでも異なる暗号通貨を交換することができるため、このような自動実行の場面でも役に立つのです。


Check your achievement

Click the “Tick” button
if you understand the lesson so far.

【レッスン②】 分散型金融(DeFi)とKyber Network

0%

0%

全てのレッスンが完了していません 全て完了にしてからテストを行いましょう!

下のボタンを押すとテストが始まります。