オンチェーンとオフチェーンは何が違うの?
レッスン②では分散型金融(DeFi)の特徴について学びました。
しかし、その仕組み自体はあまりシンプルなものではありません。
中にはパブリックチェーンの性質をうまく活かせていないものもあるのです。
ここでは、オンチェーンとオフチェーンの違いについて学習し、最適な使い分けについて理解を深めましょう。
オンチェーンとは
オンチェーンとは、ブロックチェーンを使った処理のことを意味します。
「ブロックチェーン上で処理する」という文脈から名称の由来はきています。
オンチェーンの場合、取引はすぐにブロックチェーンへと記録され、改ざんが困難な状態になります。
オフチェーンとは
一方のオフチェーンとは、ブロックチェーンを使わない処理のことを意味します。
オンチェーンの対義語として生まれた言葉です。
オフチェーンの場合、取引はすぐにブロックチェーンへと記録されず、ほとんどがサービス提供者の管理する内部のデータベースに記録されます。
従って、オフチェーンの場合はデータベースの管理者が不正などを行えてしまう状態だといえるのです。
オンチェーンとオフチェーンの使い分け
一見、全ての処理をオンチェーンで行えば良いようにみえますが、ブロックチェーンにはスケーラビリティ問題が存在します。
例えば暗号通貨取引所では、1秒間に無数の取引が実行されます。
これらを全て処理するには、スケーラビリティ問題を抱えるオンチェーン(ブロックチェーン)は適していません。
そのため、全ての処理をオンチェーンで行わず、ほとんどをオフチェーンで処理し、定期的にまとめてオンチェーンに記録する、という仕組みを採用しています。
また、ブロックチェーンに記録された情報は改ざんが難しいという特性上、情報を記録する際には再三の注意が必要になります。
例えば、誤って個人情報をオンチェーンに記録してしまった場合、消すことは極めて困難です。
こういった理由から、全ての処理をオンチェーンで行わずに、オフチェーンを組み合わせる方法が一般的となってきました。
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DeFiにおける使い分け事例
ここまでに学習したオンチェーンとオフチェーンの使い分け事例を、DeFi分野でさらに理解を深めていきます。
ここでは、取引所を例にあげます。
オフチェーンの取引所
我々が普段利用している取引所は、ほとんどがオフチェーンを活用しています。
オンチェーンとオフチェーンは基盤の仕組みになるため、目で確認することはできません。
しかし、取引所における取引は、取引所の内部データベースで処理されています。
オンチェーンは、利用者が取引所からウォレットに出金をする際にのみ使用されるのです。
このように、特定の管理者が存在する取引所のことをCEX(Centralized Exchange:中央集権型取引所)と呼びます。
オンチェーンの取引所
取引所カリキュラムで学習しましたが、オンチェーンの取引所のことをDEX(Decentralized Exchange:分散型取引所)と呼びます。
DEXには特定の管理者が存在しないため、CEXのように休日に使用できなかったりメンテナンス期間があったり、といった不都合が発生しない点が特徴的です。
DEXの例としては、KyberSwap(カイバースワップ)があげられます。
ウォレットをKyberSwapに接続することで、特定の管理者を仲介させずに取引ができ、取引結果がすぐにブロックチェーンに記録されます。
自身の管理するウォレットを使って直接取引ができるため、資産を取引所などに預ける必要もありません。
オンチェーンとオフチェーンを組み合わせた取引所
取引所の中には、オンチェーンとオフチェーンの両方を組み合わせた取引所も存在します。
0x(ゼロエックス)という仕組みを使って開発されたDEXでは、高速処理が必要な注文はオフチェーンで行い、実際に取引が成立する瞬間のみオンチェーンを使っています。
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