【レッスン④】暗号資産XRPとは?

なぜこのレッスンが必要なのか

ODLでブリッジ通貨として活用されているXRPについて詳しく学びましょう。XRPはビットコインなどと比べてどのような特性があるかを見ていきます。また、RippleとXRPの違いについておさらいします。

このレッスンで学べること

・XRPの歴史

・XRPの特性

・RippleとXRPの違いについて

XRPの歴史

XRPとは、パブリックチェーンである「XRP Ledger」上で流通する暗号資産です。

もともとビットコインの初期の開発に関わっていた3人エンジニアが、決済・送金に特化したより良いデジタルアセットを構築することを目指して、2011年に開発がスタートしました。


XRP Ledgerの創業メンバーは、ビットコインがいずれマイニングによる電力消費とスケーラビリティ問題に悩まされることを予期していたといいます。

そして、これらの問題を解決するために決済・送金に特化した暗号資産とブロックチェーンを開発しました。

それが「XRP」と「XRP Ledger」です。


2012年6月にXRP Ledgerはローンチされ、9月には現在のRipple社の前身となるNewCoin社(すぐにOpenCoin社に改名)を創設しています。

Ripple社は、創業メンバーから総発行量の80%に相当する800億XRPを贈与され、保有するXRPの一部を販売しつつ550億XRPを第三者としての役割を果たすエスクローに預託しています。


エスクローはXRP Ledgerと連携しているため、コンセンサスの仕組みでのみ管理することが可能です。

なお、Ripple社は毎月決まった量のXRPにしかアクセスすることはできません。


2012年6月のXRP Ledgerローンチ時には「Ripple(通貨コードはXRP)」と名付けられており、他にもトランザクション処理用のプロトコルである「Ripple Transaction Protocol(RTXP)」や通信用のネットワークである「Ripple Network」、デジタルアセットである「Ripple」が続々と公開されていきました。


このような状況では言葉の定義が難しく、「Ripple」という言葉が何を意味するのか明確にするために、デジタルアセットを(元から通貨コード名として使われていた)「XRP」として名称統一したのです。

そして「Ripple」は、それら一連のプロジェクト全体の総称として使われるようになりました。


その後、OpenCoin社とRippleプロジェクトとの違いについて問われる機会があり、OpenCoin社も社名変更することになり「Ripple Labs」として現在まで定着しています。


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XRPの特性

決済・送金に特化したデジタルアセットとして2012年に誕生したXRPは、XRP Ledger上での取引を3~5秒で処理することができます。

ビットコインの改良版として、より速く低コストで、環境にやさしい点が特徴です。


ビットコインとの主な違いは、コンセンサスアルゴリズムに表れています。ビットコインがプルーフオブワーク(PoW)であるのに対して、XRPは独自の仕組みであるConsensusを採用しています。


Consensusでは、Distributed Agreement Protocolを使うことで、PoWを使わずにダブルスペント(二重支払い)を防ぐことが可能です。

世界中に分散して存在するバリデータが、アルゴリズムに基づき多数決による投票を瞬時に行い、ダブルスペントが発生しないよう取引を承認しています。


そのため、PoWのように膨大な電力を消費せずとも取引を処理することができ、環境に配慮することができるのです。


ビットコインの改良版であるXRPは、取引処理が非常に速く、手数料も安価で決済・送金シーンに適したデジタルアセットだといえます。

1秒に約1,500件の取引を処理することができ、既に国際送金やマイクロペイメントの場面で利用が進んでいます。

また、ペイメントチャネルなどの機能により、さらに取引量をスケールすることが可能です。


XRP Ledgerは、ビットコインやイーサリアムと違い取引手数料がバリデータに付与されず焼却される仕組みになっています。

手数料は、処理性能を最大化するためにネットワークの利用状況に従って常時変動しています。

また、悪意のあるアタッカーによってネットワークがスパム攻撃を受ける場合に、手数料が自動的に釣り上げられることで、自律的にネットワークを保護する仕組みになっています。


XRPは、国際送金などの異なる通貨間における橋渡しとしての役割を果たすことも目指しています。

XRPが様々な通貨のブリッジアセットして機能することで、流動性問題を解消するだけでなくシナジーを生むことも期待できるでしょう。


現在の送金システムはインターオペラビリティに優れておらず、異なる通貨を交換する場合に大きなコストが発生しています。

XRPなどの暗号資産を活用することで、国際送金システムにインターオペラビリティをもたらすことができるのです。


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RippleとXRPの違いについて

ここまでで学習した通り、「Ripple」は元々はデジタルアセットを意味する言葉でした。

その後、デジタルアセットがXRPとして名称統一されると、Rippleはプロジェクト全体の総称として定着したのです。


中でも、OpenCoin社がリブランディングする形で誕生した「Ripple Labs」のことをRippleと呼ぶことが多くなっています。

そのため、ここではRipple Labsを「Ripple社」と定義することにします。


Ripple社は、金融機関向けに国際送金ネットワーク「RippleNet」を提供するソフトウェア企業です。

XRPとは独立しており、またRippleNetを通してXRPを使用している純粋なユーザーでもあります。


XRPは、ビットコインと同様にパブリックチェーンによって管理されているため、誰でも自由に使用することができます。

XRPを活用することで、従来よりも優れた決済・送金システムを構築することができるのです。


RippleNetでは、オンデマンド流動性(ODL)を提供するためにXRPを使用しています。

Ripple社は、前身のOpenCoin社の頃よりXRPとパブリックチェーンであるXRP Ledgerの開発に貢献してきました。

両者はいずれもオープンソースであるため、誰でも開発に携わることができます。


Ripple社は、XRPエコシステムの拡大を創業メンバーより託されています。

総発行量の80%に相当する800億XRPを寄贈されて以降、エスクローを通してエコシステムへの分配を行ってきました。

このような立場にあるため、XRPの管理者であると誤解されがちですが、管理しているのはXRP Ledgerでありバリデータです。


エスクローに預けられているXRPには、透明性が担保されています。

毎四半期ごとにXRP Market Reportを作成し、XRPの売却や市場概況についての考察を公開しているのです。


なお、XRPに関して改善提案がある場合、いつでも誰でも提出することができます。

これも、透明性を維持したパブリックチェーンの特徴だといえるでしょう。


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