Indexerの役割
Indexerは、インデックスの作成およびクエリ処理サービスを提供するノードオペレーターです。
Indexerの得られる報酬は2種類あります。
1つ目はインデックス作成報酬です。
Indexerはサブグラフで定義された通りにブロックチェーン上のデータのインデックス作成を行うと、ネットワークから報酬を得ることができます。
The Graphトークンは年間3%の新規発行が行われていますが、インデックス作成の量に応じてその一部が配布されます。
正しくインデックスが作成されているかを確認するために利用されるのが、Proof of Indexing(PoI)です。
インデックス作成報酬を受け取るためには、有効なPoIを作成することが必須となっています。
また、PoIにはindexer自身の署名が必要なため、他のindexerが行ったPoIを提出するといった不正はできません。
2つ目はクエリ料です。
これまでのレッスンでも学習しましたが、コンシューマーはIndexerにクエリ処理を行ってもらう際に、使用量に応じたクエリ料を支払いが必要です。
クエリ処理サービスの料金体系はIndexerが自由に設定することができますが、クエリマーケットで価格競争が起きていることに注意が必要です。
つまり、高く設定しすぎた場合、コンシューマーが他のIndexerを選ぶ可能性があるということです。
基本的にはクエリ料は需要と供給の法則にしたがって決められるでしょう。
クエリ料の一部はリベート(払い戻し)プールに運ばれます。
そして回収したGRTトークンは、コブ=ダグラス生産関数に従い、ネットワークの全ての参加者に貢献に応じた報酬として配布されます。
リベートプールの目的としては、Indexerに対して、クエリ収入にほぼ比例したGRTトークンのステーキングを促すことがあげられます。
ここで、Indexerになるにはどのような条件があるか確認しておきましょう。
インデックス処理を行うためのコンピュータを用意する他に、10万GRT以上のステーキングが必要という厳しい条件が課せられています。
ステーキングが必要な理由は二つあります。
1つ目は不正への厳しいペナルティを設定し、経済的なセキュリティを高めるためです。
ステーキングを行ったら一定期間GRTトークンは凍結され、引き出せなくなります。
また、Slashingと呼ばれる仕組みにより、悪意のあるIndexerが不正なクエリ処理やインデックス作成を行った場合、没収を行います。
そのため、IndexerはCuratorやDelegatorと比較してよりリスクが高いといえますが、それだけIndexerの不正を減らすことができるのです。
2つ目は、シビル攻撃への対策です。
シビル攻撃とは、同一人物が複数のアカウントやIDなどを作成してネットワークを攻撃を行うことです。
多くのGRTトークンのステーキングを行う参加者だけをIndexerにすることで敷居をあげ、セキュリティを高めています。
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Delegatorの役割
Delegatorは、Indexerに対してGRTトークンをデリゲート(委任)するネットワーク参加者です。
Indexerにデリゲートすることで、Indexerのクエリ料や報酬の一部を得ることができます。
Indexerが処理できるクエリの量は、Indexerが設定した価格とステーキング量に依存しています。
そのため、DelegatorがIndexerにより多くのGRTトークンをデリゲートすることで、クエリ処理を多く行えることが期待できます。
DelegatorにはIndexerのようなSlashingの仕組みはありませんが、いくつかのリスクが存在します。
1つ目はデリゲート税です。
IndexerへGRTトークンのデリゲートを行った際、0.5%のGRTトークンがバーンされるようになっています。
例えば、1000GRTをデリゲートした場合は5GRTが自動的にバーンされます。
2つ目はロックアップ期間です。
Indexerへのデリゲートを解除すると、28日間GRTトークンの移動ができなくなります。
どちらにも言えることは、デリゲートを行う際には信頼できるIndexerを選ばなければならないということです。
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Curatorの役割
Curatorはサブグラフを評価し、クオリティが高いサブグラフにシグナルを出すことで、インデックスの作成を行うべきサブグラフをIndexerに伝えます。
CuratorはGRTトークンをサブグラフにデポジットすることで、シグナルを出すことが可能です。
シグナルを出したサブグラフから発生したクエリ料の一部をCuratorは獲得することができます。
それぞれのサブグラフにはBonding Curveが用意されています。
Bonding CurveにGRTトークンを追加し、シグナルを発生させるとキュレーションシェアを鋳造できます。
上図のように、鋳造したシェアの数に比例して、新規シェアを鋳造するのに必要なGRTは多くなります。
シグナルに使われているGRTトークンの量と存在しているシェアの数は下図のようなカーブを描いています。
シェアをバーンすることにより、その時のシェアの価格に応じたGRTトークンを受け取ることが可能です。
クオリティの高いサブグラフをいち早く見つけたCuratorは、その差額から利益を生み出すことができるでしょう。
一方で、シェアの価格が下がってしまい、デポジットしたGRTトークンの一部しか回収できないというリスクもあるという点をしっかり理解しておくことが重要です。
また、シグナルを送る際にもCuration Taxと呼ばれる手数料が発生するので注意しなければなりません。
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