流動性って何?
金融・経済は、物が特定の人物同士で貸し借りや売買されることによって成長します。
貸し借りや売買によって生じる「価値の交換」こそ、金融・経済にとって最も重要な要素なのです。
この価値の交換を促すために必要な要素が流動性です。
例えば、貸し借りや売買には必ず買い手と売り手が存在します。
買いたい人・売りたい人がいなかったり、もしくはすぐに現れない場合、取引される物の価値は下がります。
この状態は「流動性が低い」と表現されます。
DeFiに不可欠なオンチェーン流動性
我々がCEXを使って暗号通貨を取引する場合、そこには無数の買い手と売り手が存在しています。
この状態は「流動性が高い」といえるでしょう。
基本的に、CEXのようなオフチェーンでの取引では、利用者が多いため流動性が高く維持されています。
一方で、DEXのようなオンチェーンでの取引の場合まだまだ利用者が少ないため、買い手も売り手も現れにくく、取引が成立しづらい状態となります。
DEXを利用することで特定の第三者に依存せずに取引ができますが、そこに買い手も売り手も存在しなければ意味がありません。
そこで重要なのが、オンチェーン流動性です。
オンチェーン流動性を提供するKyber Network
Kyber Networkは、オンチェーン取引における流動性の問題を解決するために誕生したプロジェクトです。
Kyber Networkでは、予め大量の暗号通貨をリザーブとして保持しておき、いつでも貸し借りや売買に対応できる状況を作り出すことで対応しています。
プロのマーケットメイカーやICOによって資金を調達したプロジェクトは、大量の暗号通貨を保有していることが多くなっています。
Kyber Networkは、そういった組織・プロジェクトからすぐに必要としない暗号通貨をリザーブとして提供してもらっているのです。
これにより、「イーサリアムを売ってDaiを買いたい人」が「Daiを買いたい人」が出てくるのを待つ必要がなくなります。
Kyber Networkを通して、いつでもリザーブから取引を成立させることができるのです。
なお、リザーブとして暗号通貨を提供する場合、価格は組織・プロジェクトが自由に設定します。
これにより、取引に最適な価格を設定したリザーブが優先して使用されることになり、価格競争の力学が働くのです。
このとき企業・プロジェクトは、取引高の0.25%をKyber Networkに支払う必要があります。
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Kyber Networkの活用事例
まだまだ黎明期であるブロックチェーン業界にとって、その中でもさらに小さいDeFiプロジェクトには流動性が非常に大きな問題として存在しています。
そのため、Kyber Networkを活用することで多くのプロジェクトが課題を解消しています。
DEX(分散型取引所)
ここまでで学習した通り、DEXにおける流動性の問題は非常に大きな存在となっています。
KyberSwapは、利用者が常により良いレートで暗号通貨の売買ができるよう設計されたDEXです。
注文を出してマッチングしたら取引が成立するCEXとは異なり、KyberSwapでは注文が即時成立します。
この即時成立を実現するために、Kyber Networkが利用されています。
ウォレット
暗号通貨ウォレットの中には、利用者がウォレットから直接的に暗号通貨を売買できるものもあります。
つまり、取引所の機能が搭載されているということです。
ここでもKyber Networkが使用され、利用者がいつでも取引を行うことができるように整備されています。
投資信託
金融業界で一般的に利用されている投資信託が、近年暗号通貨業界でも普及してきました。
TokenSetsというプロジェクトでは、予め設定した条件を満たすことで、スマートコントラクトが自動的に取引を実行してくれます。
具体的には、条件を満たした時点でKyber Networkを経由して即時取引を行います。
短期的な取引だけでなく、投資信託のような投資戦略の中でも、Kyber Networkが活用されているのです。
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